工作物がゴムなどの柔軟な材料や把持困難な形状に対して切削加工により高精度に複雑形状を創成することを目的とした.このために,工作物の把持に酢酸ナトリウム水溶液の過冷却状態からの急速な凝固現象を利用し,みかけ上の剛性の確保する工作物把持手法を提案した.また,加工精度を得るのに十分な工作物の剛性を確保できるように,把持部分を含めて加工する順序を,一度削り取った部分の再生を考慮して計算する手法を考案した.さらに,多軸制御工作機械の工程設計や工具経路生成の知見も加えて実用性の高いCAMシステムを開発し,工具経路を含む加工条件の最適化を図ることで,高精度な複雑形状の創成を実現した.
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