赤外フェムト秒レーザーを、シリコン(Si)基板の内部あるいは裏面に集光することで、Siの三次元加工を実現することを目的とした。赤外顕微鏡に、空間光位相変調器を用いて、精密な収差補正を試みた。厚さ300マイクロメータのSi基板の裏面に集光し、走査加工を行ったところ、加工幅が狭くなり集光度が向上した。操作部には微細な周期構造が形成された。基板表面、すなわちレーザー入射面に対するレーザー照射の影響はなく、裏面でのみ変化が観察され、位置選択的な局所加工が実現した。加工効率を上げるためにKOH水溶液を用いた湿式エッチングを試みた。2マイクロメータ以上の加工溝深さがえられ加工速度が大きく向上した。
|