摩擦が生じている、そのときの原子配列と力学応答を“その場”で観察し、摩擦のダイナミックスを直接解析するために、これまでにない摩擦の実験手法を、ピエソ駆動試料操作を組み入れた「その場電子顕微鏡法」を基盤として、申請者が世界に先駆けて開発した。摩擦の素過程を実験的に原子レベルで初めて観察して、その機構を解明した。さらに、ナノ接点の摩擦に注目し、本手法をナノサイズの機械素子開発へ応用する基礎を構築した。つまり、原子世界の摩擦に対し、その場で観て、操り、測る材料力学実験を展開し、摩擦を原子的視点から実験研究する基礎を確立し、摩擦に関連するナノテクノロジー研究へ応用した。
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