研究課題/領域番号 |
26630035
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (00220632)
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研究分担者 |
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
金 俊完 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (40401517)
嚴 祥仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (20551576)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 先端機能デバイス / マイクロ・ナノデバイス / 交流電気浸透 / ドラッグデリバリ―システム / 医療・福祉 / MEMS / 電鋳 / マイクロポンプ |
研究実績の概要 |
小形,高機能な外部刺激応答形ドラッグデリバリ―システム(DDS)の基盤技術として,交流電気浸透を応用し薬剤を送出するマイクロポンプの実現を目的として研究を行い,以下の研究成果を得た. 1.平板-円筒電極形ポンプの提案と特性のシミュレーション解析:平板電極と円筒電極を対向配置した構造で,効率的に一方向流れが得られる平板-円筒電極形マイクロポンプを提案し,有限要素法のシミュレーション解析によりその特性について検討するとともに,ポンプ最適構造を求めた.シミュレーション解析には,市販のマルチフィジックス有限要素解析ソフトウェアを用い,各部の寸法を変えながら圧力および流量を求めた.その結果,円筒電極の内径が10μm以下になると急激に発生できる圧力が上昇すること,体積1cm3のポンプで圧力14kPa,流量2.4mm3/sが得られる可能性があることなどが確認された. 2.平板-円筒電極集積形ポンプの提案,試作および特性実験:平板-円筒電極形ポンプは並列配置で流量,直列配置で圧力の増大を図ることができる.そこで,平板電極と,円筒電極を並列に配置した構成要素である微小孔付平板電極を対向配置し,さらにこれを直列に配置した構造の平板-円筒電極集積形ポンプを提案し,試作および特性実験を行った.もっとも重要な構成要素である微小孔付平板電極については,フォトレジストによる型を用いたマイクロ電鋳加工技術を提案,開発し,内径10μmの微小孔を36100個有する電極の製作に成功した.平板電極および絶縁体スペーサについては従来の加工技術で製作し,それらを一体化してポンプを構成した.試作ポンプについて,脱イオン水を作動流体として特性実験を行い,その圧力,流量特性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書では,平成26年度に(1)平板-円筒電極形ポンプの特性のシミュレーション解析,(2)(a)微小孔付平板電極の試作 を行うとしていたが,研究上の都合から,(1)で行う予定であった電極への帯電粒子の電荷の流入の影響の検討の代わりに,平成27年度に行う予定であった(2)(b)平板-円筒電極集積形ポンプの試作および特性実験 を行った.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に行う予定であった電極への帯電粒子の電荷の流入の影響の検討と,平成27年度に行う予定であった平板-円筒電極集積形ポンプの試作および特性実験の実施順序を入れ替えた他は,本研究課題の申請時の研究計画に基づき,研究を遂行する予定である.
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