イオン液体潤滑下の固体表面間に電場を印加することにより,イオン液体を構成するアニオンとカチオンの界面存在率を制御することにより,摩擦挙動を制御することを試みた.その結果,摩擦係数は,アニオンやカチオンの大きさや構造,そしてアニオン・カチオン間の電気的相互作用力の大小によって,制御性に違いが現れることを明らかにした.イオン液体をバルク液体として淳津に用い,平板間でのマクロな摩擦においては,電場の印加により,摩擦係数を2倍に増加させることには成功したが,摩擦が大幅に低減するような現象は確認されていない.低摩擦を発現させるためには,最適なイオン種および摩擦形態の最適化が必要である.
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