研究課題/領域番号 |
26630049
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 浩樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50432240)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 流体工学 / マイクロ流路 / 適応係数 / 水 |
研究実績の概要 |
本研究では,気体としての水分子,つまり水蒸気のマイクロスケールにおける流動特性を解明することを目指す.マイクロ流路を通過する流量を実験的に計測し,マイクロ流路に様々な材料を用いて流量の比較を実施していく.さらに,マイクロ流路を通過する流量が気体分子と固体表面との相互作用に強く依存する高クヌッセン数流れとなる領域を利用して,相互作用の強さを表すパラメータである接線方向運動量適応係数を導出することで,水分子の固体表面近傍における挙動を解明していく. 構築済みのマイクロ流路内の流量計測システムは,常温で気体の試料をガスボンベより供給して計測する.そこで,まず気体として水分子を流量計測システムへ供給できるシステムを構築した.温度管理された真空容器に液体の水を封入し,容器内や水に溶存している気体を除去した上で気体として水分子のみを供給できるように真空ポンプによって十分な真空度に到達するまで排気した後真空ポンプを切り離し,飽和蒸気圧によって容器内から出てくる水分子を流量計測システムに供給できるようにした.供給される気体において水以外の残留ガスや大気の混入の存在を確認するために質量分析計を用いて成分分析を行ったところ,気体はほぼ水のみとみなせることを確認した.そこで次に,金属やプラスチックなど様々なマイクロ流路を用いた流量計測を行い,流路材料によって接線方向運動量適応係数,つまり流れやすさが異なることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,水分子を供給するシステムの構築を行い,実際にいくつかのマイクロ流路を用いて流量計測及び接線方向運動量適応係数の導出を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,水と同程度の質量である単原子分子気体であるネオンを用いて比較することにより,水の特徴を抽出する.また,水以外に混入している気体の影響はほぼ無視できることが明らかとなったが,その影響を定量的に評価するために,混合ガスの混合割合の変化による流量,接線方向運動量適応係数への影響を調査する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初よりも進展があったことにより前倒し支払い請求を行った.しかし,計画していた混合気体製造システムの設計には多くの自由度が存在することが明らかとなり,最適化するためには再度設計を慎重に行う必要があったため,年度を越えて再設計を実施している.
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次年度使用額の使用計画 |
従来計画通り,混合気体製造システムを構築するために今後利用する.
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