量子乱流中の渦糸を可視化するためにガラス的を付けた金属デュアーとレーザー光学系を準備した。金属デュアーは、ヘリウム層、液体窒素層、真空断熱層の三重構造を備えた装置であり、ローターリーポンプにより1.9Kまで液体ヘリウムを冷却可能である。圧力計測には、気流中で開発してきた静圧プローブを利用した。圧力センサーとしては、低温用のトランスデューサを利用した。熱対向流中に圧力プローブを設置して流動の様子を可視化しながら、変動圧力の出力を計測した。量子渦の生成は可視化より確認できたが、変動圧力の計測は有意な信号を得ることができなかった。その原因としては、デュアー内の温度を下げる過程で、内部の圧力を下げているが圧力プローブにその影響が大きく現れ、量子渦に起因する変動圧力との区別を有意につけることができなかった。そこで、量子渦の循環量から計算される中心圧力を理論的に見積もり、微細粒子が渦中心にトラップされる過程を可視化画像から解析した。また、量子渦に起因する圧力変動の及ぶ範囲と微細粒子のラグランジュ加速度を比較した。
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