研究課題/領域番号 |
26630062
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小林 厚子 東京工業大学, 地球生命研究所, WPI 研究員 (50557212)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Biomagnetite / SQUID magnetometory |
研究実績の概要 |
1.CASシステムの過冷却効果の検証実験においては、“CAS機能付き”という市販冷凍庫を購入し、その過冷却効果を検証した。CAS設定時間になっても冷凍室内の磁界変動は検出されず、その代わりに、冷凍室の側面から設定温度以下の冷気が、ある一定時間のみ、急速に流れる仕組みになっていたことが判明した。2. 生体内の磁性体微粒子(マグネタイト)凍結モデル説実証実験においては、超低温冷凍庫(¬¬零下80度)を購入し、熱電対を使用することによって、温度測定・フリーザの内部温度を調整できるよう内部を改造した。生体内にあるマネタイト微粒子が、磁場下で過冷却操作可能な氷晶核因子となることを明らかにした(論文発表)。3. 磁性体微粒子を振動させるに必要なヘルムホルツコイルの製作試作においては、1軸円形の電磁コイルを作成したが、地磁場の影響除去・磁場の振動のため、3軸仕様のヘルムホルツ電磁コイルを設計・製作することができた。4.添加するマグネタイト微粒子を均一に分散させる方法を考案した。カリフォルニア工科大学に設置されている縦型SQUID を使用して、添加したマグネタイト微粒子の含有量を測ることを可能にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年度前半は、磁性体微粒子を振動させるに必要なヘルムホルツコイルの製作試作においては、1軸円形の電磁コイルを作成したが、地磁場の影響除去・磁場の振動のため、新たに3軸仕様のヘルムホルツ電磁コイルの製作に時間を費やした。マグネタイトを添加した水溶液をいれる容器として水風船を自作することを考案し、その結果、水風船の材料として、超薄ポリウレタンシート集めに時間を費やす結果となった。後半は、実験材料が揃い始めたので、過冷却が生じる条件検討をすることができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
水風船内に詰める試料水及び生体組織内にある磁性体微粒子の含有量を超電導量子干渉素子(SQUID)装置で試料の残留磁化曲線を測定し、その曲線から水風船に詰めた磁性体の種類、粒子含有量等を決定していく。いろんな青果物を用いて、電磁コイルを用いた凍結効果を測定していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文掲載料として確保していたが、別の財源で捻出することが出来た。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由により、次年度使用額が生じたが、必要な経費・消耗品にあてる。
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