本研究では、表面プラズモン誘起熱を利用して金属ナノプローブ探針の温度を掃引しながら探針下の試料を加熱し、熱反応誘起時の熱容量変化と物性変化をラマン分光学的に計測・分析する手法を開発した。熱源である金属ナノ構造の温度は、金属ナノ構造の形状およびサイズ、さらには金属ナノ構造間の距離に依存し、数百度オーダーにまで金属ナノ探針先端の温度を光照射によって上昇させることできることを理論と実験により示した。また、この手法を用いて、ポリマー薄膜のガラス転移をナノ分光学的に定量的かつ定性的に分析できることも示した。
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