本研究では,航空機のような大型構造物に対する広域損傷検知を実現することを目指し,レーザーアブレーション(laser ablation:LA)によるインパルス加振力を用いてLamb波を生成する損傷検知システムを構築した.LAにより生成されるLamb波は,数百kHz程度の広周波数帯域の成分を含むことがわかった.LAにより生成されるLamb波の振幅は,従来法による振幅に比べ数百倍程度と大きく,計測時の平均化回数を大幅に低減できるので,短時間での計測が実現できる.本手法を,貫通亀裂を損傷と想定した損傷検知に適用したところ,Lamb波の伝播を観察すれば損傷を検知できることを示した.
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