整復の際患部に与えられる力の大きさと作用方向を解明し,バイオメカニクスの視点からリウマチ治療過程の力学モデルを構築して,セラピストが経験的に習得している技能と治療手法の定量化をはかることを目的として,セラピストの施術にバイオメカニクス的な視点を導入し,リウマチのシミュレーション機能モデルを開発した. 本研究では以下の結論を得た. ①ハンドセラピーを計測し,指モデルおよび作用ベクトルを算出し,3次元空間上での再構築を行った. ②リハビリ動作中における関節の動きをバネ一要素でモデル化し,そのバネ定数は被験者ごとに異なる値を示し,関節の硬さの指標として用いることができる. 以上のように,健常者ではあるが,指先力センサを用いた計測により作用力の大きさを,運動計測によって作用力の方向を同時計測し,3次元ベクトル図を用いて拇指,示指,中指が発生する作用力を時刻歴でバイオメカニクス的視点から運動学的かつ定量的にモデル化できた.
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