研究課題
本研究課題では,再生医療技術を利用し,神経細胞と生体適合性材料から形成される直径100-200 μm,長さ数メートルの「ファイバー型バイオ神経インターフェース」を提案することだった。初年度にマウスの神経幹細胞から形成される神経ファイバーの安定的な構築を行い、形状の異なる神経ファイバー内部の神経幹細胞から分化した神経細胞の形態的な特性評価を行い、その研究成果を海外の学術論文Advanced Healthcare Materialsに「Differentiation Induction of Mouse Neural Stem Cells in Hydrogel Tubular Microenvironments with Controlled Tube Dimensions」というタイトルで報告した。 また、神経ファイバーが神経インターフェースとして利用出来る事を証明するため、神経細胞ファイバー48本から形成される「神経ファイバーバンドル」を作成し、脊髄損傷モデルマウスの治療効果を確認するため移植実験を行った。移植実験に関しては、慶應大学医学部整形外科、中村教授の研究室と共同で研究を行った。移植した神経ファイバーバンドル内部の神経幹細胞は、術後2ヶ月でマウス脊髄に生着し神経細胞、グリア細胞、オリゴデンドロサイト細胞に分化することが確認できた。残念ながら、今回の実験ではマウスの運動機能改善は観察されなかったが、その成果に関しては学術論文Journal of Neuroscience Researchに「Neural stem/progenitor cell-laden microfibers promote transplant survival in a mouse transected spinal cord injury model」というタイトルで報告した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
Advanced Healthcare Materials
巻: online versione ページ: 2192-2659
10.1002/adhm.201500903
Journal of Neuroscience Research
巻: 93 ページ: 1826-1838
10.1002/jnr.23636