卵細胞の姿勢を制御し粘弾性を連続的に計測することで,力学的特性の異方性を評価することが可能な革新的マイクロロボットシステムの実現を目的として研究を行った.まず,マイクロ流体チップ上で振動誘起流れを引き起こし,流体力で卵細胞の搬送・位置決め・三次元姿勢制御を行うための基盤技術を開発した.次に,チップに超小型力センサを組み込み,オンチップロボットを用いて卵細胞を変形することで力学的特性が評価できることを示した.本技術を用いてチップ上でマウス卵子の搬送・位置決め・三次元的な回転操作を行った.また,マウス卵子のヤング率を計測し,力学的特性の異方性を調べるための基本原理の有効性を示した.
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