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2014 年度 実施状況報告書

ナノファイバー及びマイクロ電極を用いた神経系疾患薬剤の評価法

研究課題

研究課題/領域番号 26630096
研究機関京都大学

研究代表者

陳 勇  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (70512458)

研究分担者 饗庭 一博  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授 (30564752)
劉 莉  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (50380093)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード神経細胞 / ナノファイバー / 薬剤評価
研究実績の概要

神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など) は治療薬がなく、新規薬剤の開発が急務となっている。また、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)は神経細胞の創薬スクリーニング分野で注目されている。現状では、多能性幹細胞から神経細胞への分化効率が(~90%)大幅に改善されたが、得られた神経細胞の機能性を評価するために酵素処理し、もう一度蒔き直すことになる。なぜなら、神経軸索が損傷している可能性がある。分化誘導された神経細胞にダメージを与えずに、リアルタイムに薬剤応答を評価する方法がない。
本研究では、申請者らが作製したパターン化したナノファイバーとマルチチャネル電極を組み合わせた複合システムを開発する。この複合システムにより、神経ネットワークを構成しながら、リアルタイムに神経ネットワークの電生理信号を検出することができる。すなわち「神経ネットワーク電極」による新規薬効評価を行う。最終的には薬剤スクリーニングによる神経変性疾患に対する新規薬剤の同定を目的とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、一方向配向性ナノファイバーを用いて、ヒトES/iPS細胞正常/疾患モデルから神経細胞に効率的に分化誘導し、パターン化したナノファイバーをマルチチャンネルマイクロ電極に取り入れて作った「神経ネットワーク電極」システムを用いた新規薬剤評価系を開発することである。今年度の目標は、一方向配向性ナノファイバーを用いたヒトES/iPS細胞の高効率神経細胞分化誘導法の開発である。
予想とは違って、以前の研究成果により、マウス神経細胞をパターン化させる研究を行った時、見つけたナノファイバーの材質を用いて、ヒトiPS細胞由来した神経細胞を培養すると、細胞の接着能が低下したことが明らかとなった。細胞の接着能を向上させるために、コーティング剤使用の検討もしたが、あんまり効果が見られなかった。ヒトiPS細胞由来した神経細胞に適合性があるナノファイバーを開発するために、昨年度、ナノファイバーの最適化を行った。
具体的に、ナノファイバーの材料、物理的な特性、パターン化可能性について検討してきた。主にナノファイバーの材料について、分解性がない、安定性が高い高分子材料に絞って実験を試みた。その結果、あるポリマー材料が適切であることを判明した。現在、その材料を用いて、ヒトiPS細胞由来した神経細胞に合うナノファイバーを作製条件を検討中。ナノファイバーの材料を検討する部分は当時の計画により、やや遅れていたが、本研究テーマを加速するために、ナノファイバーの作製条件を検討しながら、ヒトiPS細胞由来した神経細胞の分化誘導に関する検討も同時進行中である。

今後の研究の推進方策

今年度の目標は「神経ネットワーク電極」システムを用いた神経細胞薬剤応答評価法の開発である。
前半期では、昨年度の研究成果によって、見つけたナノファイバー材料を用いて、ナノファイバーの作製条件を見出し、ナノファイバーの物理および化学的な評価(例え:ナノファイバーのサイズ、厚み、密度、配合性、弾力性など)を行う。そして、標準化したナノファイバーを多電極デバイス上に転写、パターン化させる条件検討を行う。
本研究テーマを加速するために、以上の項目を検討しながら、ヒトiPS細胞由来した神経細胞の分化誘導法も条件検討して、均一な神経細胞の誘導させる方法を再現させる。
後半期では、直接ナノファイバーをパターン化した多電極デバイスの上で、神経細胞を分化誘導しながら、神経細胞の電生理学機能を測定する予定である。順調で進めば、そのまま薬剤投入して、神経細胞の電生理学機能の変化を調べる予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験の進展具合は予定より若干遅れているため、実際に使用した助成金は計画より少ない。

次年度使用額の使用計画

来年度予定より加速した計画を立てた。計画通りに助成金を使用する予定。

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公開日: 2016-05-27  

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