人工的にバンドギャップを制御した多重量子井戸(MQW)を挿入したGaAs単接合太陽電池に対して、結晶成長基板を分離することで薄膜化セルを形成する手法を確立した。さらに、MQWセルの裏面にグレーティングと高効率反射層からなる構造を形成し、光閉じ込め効果を増強することで物理的厚さの5倍以上の有効光学厚みが得られることが示された。さらに、MQW太陽電池に対して、エレクトロルミネッセンス評価を定量的に実施することによって、デバイス内部における擬フェルミ準位の状態を推定した。この結果から、光励起されたキャリアがMQW層において優先的に発光再結合し、GaAsバルク構造より発光効率が高くなることが示された。
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