研究課題/領域番号 |
26630109
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
下野 誠通 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90513292)
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研究分担者 |
伊藤 和晃 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 准教授 (10369986)
浅野 洋介 木更津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (70390416)
元井 直樹 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (10611270)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ハプティクス / モーションコントロール / 制御工学 / 遠隔操作 / ネットワークロボット / 移動ロボット / リモートセンシング |
研究実績の概要 |
本研究課題では、ロボットによる五感に基づいた遠隔環境センシング実現に向けた基礎技術を開発することを目的とし、A.視覚と力触覚に基づく複合的な環境情報のリモートセンシング技術の基礎研究、B.遠隔環境の情報収集と複合感覚フィードバックを実現するステアバイワイヤシステムの試作、という二つの研究計画を、二年間の研究期間において遂行する。 本年度では、まず研究計画Aにおいて、モバイルシステムの遠隔運動制御についての理論研究を行った。過去の研究結果を参考に、操縦インターフェースとモバイルシステムとの間の遠隔制御理論としてトランスフォーマ・ジャイレータ統合型の双方向制御理論を採用し、操縦インターフェース側に仮想力発生機構を追加するなど、操作性向上に向けた改良研究を行った。また、力触覚に基づく遠隔環境の情報抽出理論についての基礎研究にも着手した。環境の接触情報を正確に抽出するためには、接触力以外の外乱の影響や、環境との接触状態の変化による影響などを十分に考慮する必要がある。そこで、特に力制御系を対象として、環境が変化する場合においても接触力を精密に制御するための手法や、接触力情報から環境のインピーダンスを推定し積極的に力制御系の性能向上に活用する手法を開発した。これらの力制御技術については、ステアバイワイヤシステムのみならず接触集電システムへの産業応用も可能であるとの知見を得た。さらに、複数のモバイルシステムの遠隔制御への応用を想定し、協調的な隊列制御理論の研究も実施した。 研究計画Bにおいては、次年度に開発技術を実装し実証実験を行うためのステアバイワイヤシステムのうち、特に操縦側のペダル型インタフェースを設計試作した。現有するモバイルシステムと連結し、研究計画Aで開発した制御理論を実装して基礎実験を実施した。 これらの研究成果については、国内研究会や国際会議において論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに進展しており、特にステアバイワイヤシステムの試作開発や力覚情報に基づく環境センシングの基礎研究などは順調に年次目標を達成している。また、今年度の成果を受けて、次年度の研究計画についても大きく変更する必要はなく、目標を達成する見通しが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、研究計画Aにおいては、力触覚情報と視覚情報の統合利用によるモバイルシステムの遠隔制御に関する理論研究を重点的に実施する。また、研究計画Bにおいては、力覚フィードバック機能を確保するためにダイレクトドライブ方式を採用したモバイルシステムを新たに試作し、今年度に製作したペダル型インタフェースとの統合実験を実施する。試作したステアバイワイヤシステムに開発理論を実装し、開発技術の有用性を実証するための最終実験を年度末に行う。
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