エアロゾルデポジション(AD)法は,常温下にてセラミックス微粒子が基板に高速衝突した際に生じる衝撃固化現象を利用した薄膜・厚膜形成技術である。本研究では,全固体リチウムイオン電池用固体電解質としての利用が期待されているLi1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3(LAGP)やLi7La3Zr2O12(LLZ)等のリチウムイオン伝導性酸化物粉末を直接原料として,AD法により熱アシストなしで膜化することを試みた。各固体電解質材料について,衝撃固化を介して多結晶膜が形成できる原料粉末の調整条件を見出し,室温下にて10-6 S/cmオーダーのイオン伝導率を有する酸化物固体電解質膜を得ることができた。
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