研究課題
本研究は、グラフェンにフッ素を修飾した新規2次元税量であるダイヤモンドシートを実現し、膜の特異な物性を解明し、低消費電力デバイス、特にスピントロニクスへの応用の可能性を明らかにすることを目的とする。27年度は下記成果が得られた。(1)グラフェンのみを用いて電子スピン偏極やスピン流を生成することは困難である。本研究のダイヤモンドシートを対象とすれば、スピンホール効果を適用することができ、グラフェンのみを用いてスピン流を生成し、スピントロニクスデバイスを実現できる可能性があることを示した。(2)(1)を検証するために、ダイヤモンドシート中のスピンホール効果によるスピンの蓄積や挙動を、ダイヤモンド中の窒素ー空孔中心(NVセンタ)により検出する方法を提案した。(3)(2)の検出は、空間分解能が約300nm、磁気感度が約30nT/√Hz、スピンの計測システムを構築し、スピントロニクスへの展開が可能であることを示した。 (4)ダイヤモンドシートデバイスにスピンを注入するバリアとして、ALD法で堆積した高品質で膜厚の制御性の高いAl2O3膜が適していることがわかった。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Appl. Phys. Lett.
巻: 107 ページ: 193110-1-4
10.1063/1.4935709
Appl. Phys. Lett
巻: 107 ページ: 163012-1~4
10.1063/1.4933103
Scientific Reports
巻: 5 ページ: 12882
10.1038/srep12882