シリコンからなる熱電変換材料を開発するため、単結晶シリコンの内部にフェムト秒レーザーを集光照射することで幅約100 nmの歪シリコンからなる領域が約240 nm間隔で自己組織化したナノ周期構造を光誘起させることにフェムト秒ダブルパルスを用いることで成功した。これは、第一到達パルスにより励起された電子と第二到達パルスとの相互作用によって構造変化が促進されたためと考えられる。一般に熱電変換の性能は、電気導率、高温側と低温側の平均温度、ゼーベック係数の二乗に比例し、熱伝導率に反比例する。結晶構造が歪むことで導電率が高く、熱伝導度は低下した領域がナノスケールの周期で光誘起されることを見出した。
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