研究課題
超省電力で冗長性を有する集積化論理回路の構築を目指して、抵抗変化メモリ(ReRAM)の新たな機能応用が可能な、3端子構成の新型不揮発性機能デバイスを提案し、これを実現することを目指して、制御端子による抵抗変化の可能性について、その動作原理の実験的確認から見通しを得た。ReRAM材料としてMoOx/Cuを用いて、研究分担者である九州工業大学の森江教授の協力を得て、ReRAMの下層に電流制限用のMOSFETを埋め込んだ構造を実現し、アナログメモリとしての動作を示すことを示した。特に、アナログ値の書き込みについては、MOSFETのゲート電圧を制御することで、安定に書き込め、抵抗値をアナログ的に書き換えられることを示すことに成功した。3端子素子化を目指した検討では、動作原理の確認も平行して進めることが不可欠なことから、透過型電子顕微鏡(TEM)内でReRAMを動作させて電気特性と構造変化の対応を取るTEMその場観察法の準備をした。16端子の測定端子が実現され、このような多端子の特性評価が可能なTEMその場観察システムは世界中で唯一である。まずは、TEM内でMoOx/Cuを用いて検討を行ったが、安定性が悪く、初期の3端子価の検討用には適さないと判断し、ReRAM材料をWOx/Cuに変えて検討した。実際に、TEM内で、I-V特性評価が可能なことを確認すると同時に、抵抗変化メモリに対応するヒステリシス特性を取得した。加えて、Cuフィラメントの成長を確認し、電圧の印加方向に応じて、移動していることを、実際の観察で明確にした。この結果は、推論ではなく、直接観察から得られたものであることが重要である。すなわち、Cu原子がイオン化して、負極側に移動することが確認できた。その移動機構から、制御ゲートが機能する可能性を示し、3端子化に見通しを得た。
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