研究課題/領域番号 |
26630142
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松浦 祐司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10241530)
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研究分担者 |
片桐 崇史 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90415125)
木野 彩子 東北大学, 医工学研究科, 教育研究支援者 (30536082)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | テラヘルツ導波路 / 中空導波路 / 方向性結合器 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,テラヘルツ応用システムを構成する導波,分岐,結合光学素子を,光通信用コンポーネントのように光ファイバ型の素子に置き換え,コネクタ接続のみでシステム構築が可能なテラヘルツ波用光部品を提供することである.基本となるのは,誘電体薄膜チューブで構成されたチューブリーキー導波路と呼ばれる中空光ファイバであり,導波路を伝搬する漏れモードを利用して複数の導波路間でテラヘルツ波の結合を生じさせ,方向性結合器や分岐素子などを実現することが可能である.本研究ではチューブリーキー導波路の設計・製作からはじめ,各種の機能性素子の試作と評価を行った. 本研究においてまずは,本申請の根幹デバイスとなるテラヘルツ波用チューブリーキー導波路について,樹脂製チューブを延伸することより製作することを試みた.作製した樹脂チューブの外側に金属薄膜を形成した導波路の特性を評価したところ,金属のみで構成された導波路よりテラヘルツ領域で低損失となることが示された.また,導波路間の結合についてはビーム伝搬法によるシミュレーションによる特性解析を行った.まずは平行に並べた2つの直線状導波路間の結合について計算を行ったところ,結合係数は導波路の内径に大きく依存することがわかった.つぎに2つの導波路の一部を近接させた方向性結合器について設計を行ったところ,内径2㎜程度の導波路で10-30㎝といった現実的な素子長で50%分岐の方向性結合器が実現可能であることがわかった.そこで,スリット型金属導波路と樹脂薄膜でテラヘルツ方向性結合器を製作し,テラヘルツ時間領域分光装置でその特性評価を行ったところ,長さ20㎝ほどの導波路型デバイスで,50%分岐が可能な素子の実現に成功した.
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