研究課題/領域番号 |
26630164
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
竹井 邦晴 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20630833)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人工電子皮膚 / フレキシブルデバイス / 3軸触覚センサ / 印刷技術 |
研究実績の概要 |
本研究では、「触覚」と「摩擦」両方を同時に検出可能、且つ大面積ナノ材料印刷法による低価格化を両立した人工電子皮膚デバイスの実現を目指している。平成26年度では、当初目標としていた(1)指紋構造を有した「触覚」と「摩擦」センサのプロセス開発、(2)1ピクセルでの「触覚」と「摩擦」の電気的解析を予定通り実施し、実験結果と有限要素法の結果が良く一致することを確認し、フレキシブル基板上に印刷技術のみを用いて「触覚」と「摩擦」の同時検出を実現した。 特に「摩擦」計測に関しては、有限要素法による歪み分布の解析を行い、最適な条件を用いてデバイスの設計・作製を行った。従来のSiプロセスとは異なり、フレキシブル基板、及び印刷技術を用いた作製プロセスを提案しており、そのプロセスの最適化及び新規構造などの提案を行った。結果として、ポリエチレンフィルム上に歪みセンサを複数個、印刷形成することで、「触覚」「摩擦」印加時のポリエチレンフィルムの曲げ及び伸張による引っ張り応力の分布を計測する構造を用いた。本構造により、「触覚」と「摩擦」の同時計測をフレキシブル基板上で実現した。またフレキシブル基板の厚みを変えることで、センサの測定ダイナミックレンジを調節することが可能であることも実験的に確認した。このような構造の工夫により、強い力が加わった際のデバイスの破壊防止などが可能となり、デバイスの信頼性向上が実現できる。 さらに次年度予定していた「触覚」と「摩擦」の2次元マッピングにも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、「触覚」と「摩擦」両方を同時に検出可能な電子皮膚デバイスの実現を目指し研究開発を行っている。平成26年度では、当初目標としていた(1)指紋構造を有した「触覚」と「摩擦」センサのプロセス開発、(2)1ピクセルでの「触覚」と「摩擦」の電気的解析を予定通り実施し、実際に、実験結果と有限要素法の結果が良く一致することを確認した。本結果から「触覚」と「摩擦」の同時検出が可能であることを確認でき、当初予定した計画を完了できた。さらに次年度実施を予定していた、「触覚」と「摩擦」の2次元マッピングにも成功しており、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、26年度に達成した電子皮膚デバイスに更なる多機能化として温度センサや回路などを集積化させる技術を開発する。さらに、電子皮膚デバイス応用だけではなく、フレキシブルデバイスの実用化への可能性を示す技術開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した無機ナノ材料の価格が予想以上に安価であったため、当初の予定より予算に残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
センサの多機能化や集積化回路作製技術開発に伴い、さらにナノ材料の購入が必要であり、その材料(消耗品)購入に使用を予定している。
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