シリコンMOSトランジスタ構造においてゲート絶縁膜の内部に意図的にドナーおよびアクセプター的な不純物の導入により局在準位を導入し、そのゲートリーク電流特性に現れる、局在準位を介したトンネル電気伝導を扱う。この系と、“人工的に形成された局在準位”を介した電気伝導を扱う量子ドット素子との類似性に着目し、申請者がこれまで量子ドット素子研究で培ってきた局在準位を介した電気伝導、特にそこに現れる電子スピン・核スピン効果に関する知識と経験をもとに、MOS構造において絶縁膜中の局在準位の電子スピンおよび核スピン状態の電気的制御を行うことで新しいメモリ素子の可能性を探索する。
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