従来の同定符号(ID Code)は,N個の中から選ばれた一つの対象を同定するための符号であるが,本研究では,N個の対象から一度にK個の対象を,順序無しで同定するK多重同定(K-MOID)符号および順序付きで同定するK多重順序付き同定(K-RMOID)符号を考え,その具体的な構成方法を与えるとともに,雑音のある通信路に対するそれらの符号の符号化レートの上限が通常の通信路容量や通常のID容量と一致することを,理論的に明らかにした.さらに,無雑音通信路の場合に対して,逆問題を考え,K-MOID(K-RMOID)符号の符号化レートおよび復号誤り指数が満たさなければならない条件式を与えた.
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