高速原子間力顕微鏡 (HS-AFM) は動的現象をナノスケールにて解明可能な顕微鏡である。本研究では、HS-AFMに水晶振動子センサを適用することで、高速なナノ物性測定に挑戦した。探針取り付け時にはセンサの両梁でカウンターバランスをとり、取り付け後でも高Q値を確保した。このセンサで表面形状を高速撮像できる顕微鏡システムを構築し、1 μ角のエリアで数秒/枚の撮像を確認した。静電気・磁気的相互作用を変調して正弦波状の力を加えるとセンサは連成振動によって応答すると考え、解析や測定を試みた。ナノ表面物性の高速計測に向け、バイモードルモードの組み込み等、HS-AFMの機能拡張という点で進展したと考える。
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