研究課題
前年までの研究成果を踏まえ、平成28年度は本研究で提案しているバーニヤ速度知覚の原理に基づいた速度計測システムの高速化と、この原理を応用してより正確に高次運動パラメータを測定できる手法の提案と評価を行った。本年度製作の速度計測デモシステムでは、バーニア速度知覚の要素技術である補償法に基づいた速度計算を、ビデオカメラで得られる画像に対してリアルタイムに行うことが求められる。そのため、今年度はマルチコアCPU上での効率的な計算プログラムの実装と評価を行った。実測の結果、4コア~6コアのCPUを持つPCではMPIを利用する並列プログラム化により、約3.7倍~5.2倍の計算速度を達成できることが確かめられた。本研究の速度計測原理に基づく計算プログラムはこれまで局所的処理だけで実装されてきたため並列化が容易であり,MPIの導入の際にも処理内容やその実行順序の変更は必要なく、プロセスの多重化だけで移行が可能であった。前年度までに動画像中の大きな速度(並進運動)がバーニヤ速度知覚の原理により抽出できることが確かめられた。その際、並進運動成分を差し引いた動画像には定常並進運動より高次の運動成分(角速度,拡大縮小運動,加速度の成分)が残ることに注目し、本年度はその運動成分を分離計測する手法の提案と評価も行った。この方法は大きな並進運動成分に隠れた微小な高次運動成分を、並進運動成分を介さずに直接抽出することができるのでより正確な推定が可能になると期待される。流体画像を用いた評価により、バーニヤ速度知覚原理を適用した後の画像から並進速度成分の影響を受けずに高次運動パラメータが抽出できることが確認できた。
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2016 16th International Conference on Control, Automation and Systems (ICCAS)
巻: 1 ページ: 123-127
10.1109/ICCAS.2016.7832308
巻: 1 ページ: 392-396
10.1109/ICCAS.2016.7832350