建設後数十年経過しているトンネルの覆工コンクリートには,ひび割れを生じている場合が多いものの,表面スケッチの視覚的評価やレーザー光線計測を主とした健全度評価が実施されているのが現状である.しかし,コンクリート内部の状態まで評価されているとは言い難い. 本研究では,固有振動特性の違いに基づく覆工コンクリート健全性評価手法を独創的に提案し,特に,背面空洞やひび割れの存在により,フーリエスペクトル特性が変化を生じる特徴を利用して,老朽化した覆工コンクリート構造物の健全性(強度や剛性)を,非破壊的で高精度に評価できる手法を確立し,実現場への適用により提案手法の実用性を検証した.
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