本研究では,橋梁全体の三次元挙動を計測することが可能な全視野計測システムの開発を目的とする.はじめに,カメラキャリブレーション手法を構築し,その妥当性を屋内の近距離計測で実施したところ,1mm程度の精度が得られることを確認した.次いで,二台のハイスピードカメラを用いた計測システムを構築し,溶接箱型試験体の圧縮試験時に適用した.その結果,鉛直方向と水平方向の変位量の誤差は約0.1 mmとなった.最後に,長距離計測については現状では課題が残る.しかし,本研究を通じて構築された全視野計測システムの屋内試験における適用性は十分に確認されており,長距離計測に向けた基盤が確立された意義は非常に大きい.
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