研究課題
平成28年度については,これまでに行ったAl-Zn板と繊維シートの犠牲防食に関する特性分析や大気環境における本防食技術の腐食停留作用に関する基礎的検討の結果に基づき,無塗装耐候性鋼橋の狭隘部等に簡易かつ確実に設置でき,取り替えなどの維持管理性の高い設置方法を検討した.また,飛来海塩や結露・霧の発生が著しい環境で著しい腐食損傷が生じた供用開始後10年程度の無塗装耐候性鋼橋(下路トラス橋)の支点部の垂直,水平部位に本犠牲陽極防食技術を適用することで,実構造物における防食作用や実用性を検証した.この際,降雨,結露,霧による濡れや飛来海塩の大気環境の変動による腐食環境の経時変動をモニタリングするため,Fe/Ag対のガルバニック腐食センサ(ACM型腐食センサ)を犠牲陽極板を設置した部位近傍に貼付した.実構造物を用いた検証では,腐食生成物を除去した場合とほとんど除去しない場合を対象とすることで,腐食生成物の有無が防食作用に及ぼす影響を分析した.その結果,腐食生成物の有無によらず,本防食技術を適用することで,腐食性が高い環境であっても犠牲陽極防食が良好に機能することを明らかにした.また,降雨,結露,霧による濡れが発生する際,すなわち部材が腐食しやすくなる環境になる場合には,犠牲陽極板による防食電流が大きくなりることを確認した.また,濡れから乾燥状態に環境が移行する場合には,防食電流が減少していくことを確認した.
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土木構造・材料論文集
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