研究実績の概要 |
平成26年度は,次のような条件で,電子レンジを活用して「加水」と「電磁波加熱」による接合の可能性を実験的に調査した.使用したベントナイトは,山形県月布産のベントナイトA(クニゲルV1・クニミネ工業製,自然含水比7.7~8.0%)を用いた.供試体は,初期乾燥密度は1.6~1.8Mg/m3を目標として,静的締固めにより作製した.その後,電磁波照射時の固定方法,照射時間,供試体の接合面の水分塗布状況を変化させて,接合可能性を3段階で評価した.ベントナイトAでは,供試体直径28mm,高さ5mmの場合,マイクロ波が供試体の加水した部分に十分に照射されたと推察され,接合状態が良好と判断された.複数のダブルクリップや輪ゴムを使用し供試体を固定した場合に,良好な接合が確認され,供試体の固定が不十分な場合には,部分的な膨潤により接合面に発生した隙間からの蒸発量が多く,良好な接合ができなかった. 今回得られた実験結果に対して,参考文献(松村竹子:マイクロ波化学への招待1マイクロ波化学の原理-, 日本化学会, 化学と教育54巻7号, 2006.,松村竹子:マイクロ波化学入門(その2), 日本化学会, 化学と教育52巻6号, 2004.)の観点から考察し,接合面の含水状態が接合に大きく影響するものと推察された.このことから,次年度以降において,ベントナイトの含水比を均質かつ種々の状態に変化させて,電磁波照射することにより,その接合状況の評価を行うことの必要性を明らかにした.
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