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2015 年度 実施状況報告書

熱加速クリープによる軟岩の時間依存性挙動の効率的な予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26630218
研究機関埼玉大学

研究代表者

山辺 正  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40125894)

研究分担者 長田 昌彦  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00214114)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード熱加速クリープ / 熱伝達境界
研究実績の概要

熱環境下でクリープ変形が促進される現象を確認するために,三軸圧縮試験装置を新たに作成し,その性能を評価することが出来た.具体的には田下凝灰岩の湿潤供試体を用いて20℃,50℃,70℃の温度環境を設定し供試体内部が一定温度に至るまで十分な時間を経た後,各温度条件下で一軸圧縮試験を実施した.その強度は各温度条件に対応して,5.14MPaから4.70MPaにまで減少し,この区間でほぼ線形に低下した.これらの強度に対して各温度毎に92.5%のクリープ応力を設定し,各温度環境下のクリープ試験を実施した.その結果,20℃,50℃,70℃の温度環境に対して破壊までの経過時間は,それぞれ1006,296,206秒となった.これらの実験は本研究で基本的な性質とした熱環境依存性であり,20℃の常温環境ではクリープ応力の絶対値が高いにも関わらず,破壊時までの時間は長い事を意味している.
これらの基本的な性質を実験的に確認した後,クリープスペクトルを用いて3次クリープの開始を予測する手法について予備的な検討を開始した.クリープスペクトルは本来,多種の素材が含まれる材料の場合に,個々の素材が持つ特徴的なスペクトルの重ね合わせとして全体挙動を評価するための手法である.ここでは,それら特徴的な挙動が環境温度に依存する事を実験的に示すと共に,高温環境における短時間での挙動から常温環境での長時間の挙動を予測できる可能性について検討した.その結果,スペクトルの評価手法をさらに高度化させることにより,高温下での実験結果から常温状態での予測が十分可能である事を確認できた.なお,上記の成果を得る過程で,昇温時の挙動を見積もるために供試体周辺の熱境界を評価するには,熱伝達境界が適切である事も確認できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新三軸試験装置の作成と動作確認に時間を要したため,現状ではデータの蓄積が十分とは言えない.また,現象を把握するために必要となる供試体の選定にも時間を要した.しかし,平成27年度の終盤には上記の問題もクリアできたため,今後はデータの蓄積と分析および数値解析に専念できる環境が整った.

今後の研究の推進方策

実験データの蓄積と分析,および数値解析を進展させる予定である.

次年度使用額が生じた理由

研究発表予定が変更になったため

次年度使用額の使用計画

研究発表旅費として使用する予定

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Heat Transfer Characteristic of Saturated Sand in Steady Flow around a Cooling Pipe2015

    • 著者名/発表者名
      R.SUDISMAN, M.OSADA, T.YAMABE and D.TOBITA
    • 学会等名
      10th Asian Regional Conference of IAEG
    • 発表場所
      京都大学防災研究所(京都府京都市伏見区)
    • 年月日
      2015-09-25

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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