研究課題/領域番号 |
26630219
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30272511)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 液状化 / 鉄鋼粉 / 地盤工学 / 船舶工学 / 海上安全 |
研究実績の概要 |
船積みした鉄鋼粉の輸送中での長期的な乾燥・湿潤過程を想定した室内試験を実施して、比較的低いサクションレベルにおける水分特性曲線の計測を行った。また、不飽和透水係数を精度良く計測するために、サクションの局所計測等を活用することによる試験手法の改良を行った。 さらに、これまでに系統的に実施した飽和・不飽和条件での三軸液状化試験結果の総合的な分析を行った。間隙に空気を混入させて不飽和条件とすることによる液状化強度の増加率が、混入した空気分の圧縮性だけではなく、有効応力が減少して液状化に至る過程で生じる体積膨張特性にも依存することを見出し、これらの比を指標として整理することで、鉄鋼粉と2種類の砂質土の試験結果を統一的に解釈できることを明らかにした。 以上の検討成果に基づいて、日本への鉄鉱粉輸送に使用される輸送船規模を想定したうえで、その積荷としての鉄鉱粉をモデル化し、室内試験で計測した水分の保持・移動特性を考慮した不飽和浸透解析を実施し、長期間の海上郵送中に積荷内の水分分布がどのように変化するかを評価した。この評価結果を用いて初期条件を設定したうえで、荒天時に船がローリング動揺した際の挙動変化を数値解析により予測した。その結果、数値解析によっても、実際の事故事例と同様な液状化挙動を再現できることを確認し,ローリング角・水位・鉄鋼粉の密度によって変形量や変形に至るメカニズムが異なると考えられることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不飽和透水係数の計測を実施する予定であったが、その検討過程において試験手法自体の改良が必要なことが判明したため、当初予定していた研究内容を若干変更した。
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今後の研究の推進方策 |
模型実験結果との比較等により数値解析結果の妥当性を検証するとともに、実際の事故事例の再現解析も行っていく予定である。さらに、積荷の初期水分および初期密度と、輸送中のビルジ管理方法を変えたケースを対象とした試計算を行い、液状化の発生を防止する、あるいは液状化が生じても船体の安定性に深刻な影響を及ぼさないようにするために必要とされる条件を明らかにする。これらの検討結果に基づいて、船積み時および輸送中におけるこれらの条件の合理的な管理手法を提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に謝金として執行する予定額を増額する必要が生じたため、物品費の購入内容等を見直した結果、5万円弱の繰り越しを行ったものである。
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次年度使用額の使用計画 |
謝金として当初の予定額を増額して執行する予定である。
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