研究課題/領域番号 |
26630220
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大嶺 聖 長崎大学, 工学研究科, 教授 (60248474)
|
研究分担者 |
杉本 知史 長崎大学, 工学研究科, 助教 (60404240)
MD.AZIZUL MOQSUD 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (40464408)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 放射性セシウム / 溶出特性 / 有機分 / 微生物電池 / 稲 |
研究実績の概要 |
福島県内では汚染土壌の処理が問題となっており,土壌に吸着している放射性セシウムの早急な処理・処分方法が求められている.そこで本研究では,土壌の物理的・化学的特性と放射性セシウムの吸着特性との関係性について考察した. 溶出試験の結果から,今回用いた土壌については,水溶性画分およびイオン交換態のいずれも,微生物によるセシウムの溶出特性に大きな違いは見られなかった.一方,リターについては,フルボ酸や乳酸菌を加えることで,イオン交換態でのセシウム溶出率が増加した.これは,微生物等を添加することで,有機物の分解が促進されたことによるものと考えられる.また,水溶性画分によるセシウムの溶出量はわずかであるが,プルシアンブルー不織布と微生物を組み合わせることで,セシウムの溶出率をイオン交換態と同程度まで増加させることができた。 また,植物を用いた微生物燃料電池において、植物の数と電極の材質が与える影響を調べた。その結果,マイクロファイバー炭素繊維、植物3本、酸化鉄を用いた条件で,最も高い電圧が得られた。稲を育てながら、電圧を得ることが可能であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プルシアンブルー不織布と微生物を組み合わせることで,セシウムの溶出率を高めることが分かった。 また,植物を用いた微生物燃料電池の適用性を確認することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
放射性セシウムの溶出特性と微生物電池をそれぞれのテーマとして進めてきた。 今後は,両者の利点を活かしながら,汚染土壌の除染と有機物の安定化技術としての微生物電池を組み合わせて検討していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外渡航の計画がキャンセルになった。 また,研究内容の見直しにより,実験の規模が予定よりも小さくなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究成果を海外の国際学会で発表を行う。 また,実験についても条件を増やし,装置の規模も大きくする。
|