富栄養化した湖沼である伊豆沼においては,湖内植生のうち大型高等植物としてハスを対象とした現存量を含めた季節的な消長や栄養塩循環についての観測を行った。この観測結果を基として湖沼の水質・植生環境の解析モデルを構築した。また,貧栄養湖の支笏湖および倶多楽湖と中栄養湖の琵琶湖を対象に,溶存酸素の三酸素同位体組成を使って総一次生産速度を定量し,硝酸の三酸素同位体組成を使って新生産速度(硝酸同化速度)を定量し,それらの差から再生生産速度を計算できないか試み,一次生産が最も活発な時期であると考えられる春先から夏までの間の各速度を見積もった。
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