研究課題/領域番号 |
26630230
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡邉 啓介 東海大学, 海洋学部, 准教授 (10297202)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サブシーシステムの設置 / 水中位置計測 / 水中構造物の自動設置 |
研究実績の概要 |
本研究では、水上に配置したブイをLBLの基線として、水中の構造物を模した装置の位置を検出し、実海域でつられた構造物の位置を制御する実験を実施することが、最終目標である。実験に先立ち、制御ゲインを推定するための制御シミュレーションプログラムの構築は終了し、いくつかの場合についてシミュレーションにより制御可能性を検証してきている。また、水中位置検出のための洋上のLBL基線を構成するブイの開発については、ブイ間の無線通信による距離測定システムを完成させた。これは、ブイの位置をGPSで計測し、ブイ間の無線通信で相互の距離を検出し、同時計測のための時計のリセットを行うものである。さらに、これらのブイを船から、洋上に配置する手段が問題であることが解ったため、ドローンを用いることとして、ドローンによる運搬が可能であることを実際に実海域で検証した。水中の構造物を模した装置については、内部コンピュータプログラム、スラスター制御回路の構築、超音波装置を除いた段階での全体の設計を終了している。実験時の環境状態を明確にするため、船体の動揺を計測する必要があるが、実験に使用する小型舟艇には、動揺記録装置が無いため、船体の加速度、姿勢を検出するための動揺検出回路を試作した。今後早急に船体動揺の計測を行い、改善点があれば改良する。予算の関係で、ブイと構造物間の測距を実施する超音波測距回路の開発が難航していたが、プロトタイプが完成しつつあり、水槽内で10m以上の測距に成功したので、現在実海域で100m程度の距離測定を目指し開発を継続している。超音波測距装置が完成次第、実海域で実験を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請時に技術指導を受ける予定だった技術者が採択時に急逝し、初年度は自力での開発を進めたが、難航した。そこで海洋超音波メーカー2社、魚探会社等にも相談したが、価格面で協力を得られなかった。SSBLは1チャンネル数百万円、1対1の測距装置は最低1チャンネル100万円以上とのこと。地元の超音波洗浄機メーカーを探し当て、共同開発をスタートできたが、担当技術者の体調不良もあって開発が遅れた。しかしながら、プロトタイプ回路を完成させつつあり、本学の水槽で10m以上の距離測定が可能となった。水槽のサイズが狭すぎてマルチパスの問題が大きすぎるので、実海域での距離測定実験を実施しようとしているところである。超音波測距部分が完成すれば、これまでに構築した部分とアセンブリして、全体システムが構築でき、速やかに実験を実施できる状況である。
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今後の研究の推進方策 |
予想外に難航した超音波測距装置が実現しつつある。超音波の目途が立ったので、洋上のブイシステムを完成させ、水中構造物部分の耐圧容器部分の製作に入ることができる。100mを目標にしているが、今月の実海域実験の結果によっては、50m程度に距離を縮めて、確実に実海域での実験を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
超音波測距装置の開発が難航し、実験装置全体が構築できていないため。また、実海域実験を実施していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
超音波測距装置の完成、水中構造物部分の完成、洋上ブイシステムの完成、実海域実験の実施。
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