研究実績の概要 |
近年,社会資本ストックの増加などを背景として,インフラモニタリングに対する社会の関心が高まっているものの,未だ途上国のインフラ整備は不十分な部分が多く,それだけでなく,その状況を把握するのも難しい.本研究では,現地の人々にスマートフォンアプリケーションを用いて道路状態のデータ収集を依頼することを目的とし,世界最大のクラウドソーシングマーケットプレイスであるFreelancerを利用する場合と現地にハブパーソンを設ける場合とで比較を行うとともに,収集したGPSや加速度データから道路の路面状態や時間帯別走行速度について分析を行った.とくにハブパーソンを用いた手法では,1か月半の短期間で述べ約7,800km,実リンクベースで約800kmの走行データを取得することができ,これはダッカ都市圏の道路総延長が約2,140kmに対して約38%のカバー率であり,迅速かつ安価に,ある程度質が担保されたインフラモニタリングデータの収集が可能であることが結果として示された.
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