研究課題/領域番号 |
26630245
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
池本 良子 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (40159223)
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研究分担者 |
本多 了 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 助教 (40422456)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 下水汚泥 / メタン発酵 / マイクロ波 |
研究実績の概要 |
下水汚泥のメタン発酵率を向上させるための新しい前処理法として,低出力マイクロ波照射法の開発を行った。本方式は,含水率80%程度の脱水汚泥に対し低出力でマイクロ波を照射し,細胞内部の水分を振動させて細胞膜および細胞壁を内側から破壊することで,汚泥の可溶化を行うものであり,従来の含水率95%程度の汚泥に対するマイクロ波加熱処理とは異なり,極めて省エネルギーで効果的な方法として期待できる。 まず,マイクロ波照射装置を購入し,その特性を調べた後,OD汚泥を用いて様々な条件でマイクロ波を照射し,その効果を検討した。その結果,マイクロ波照射により,メタンガス発生量が増加し,その量は,溶存態有機物濃度と相関が認められたことから,マイクロ波照射による汚泥の可溶化がガス発生量の増大に寄与していることが明らかとなった。ガス発生量は,マイクロ波照射の際の資料温度,照射時間に依存したが,照射エネルギー量との相関は認められなかったことから,照射条件によってエネルギー吸収率が異なると推定された。 次に,マイクロ波照射を行った汚泥を用いた連続メタン発酵実験を行った。その結果,マイクロ波を照射していない汚泥を用いた場合と比較して,約1.3倍のガス発生量の増加が認められた。さらに,汚泥濃度の優位な現象が認められたことから,本前処理は,ガス発生量の増加だけでなく,汚泥の減容化にも大きく寄与することが推定された。 今後はより詳細なマイクロ波照射条件設定を行うとともに,その汚泥可溶化機構について解明する。さらに,連続メタン発酵実験を継続し,マイクロ波照射による効果を定量的に評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の目標については,本装置でのマイクロ波照射条件についてある程度定量的に評価することがで,可溶化による効果を定量的に示すことができたが,そのメカニズムを詳細に明らかにすることはできなかった。しかし,27年度から実施予定であった連続メタン発酵実験を先取りして開始し,良好な結果を得ており,当初の計画以上の成果も得られている。これらをかんがみておおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロ波照射によるガス発生量増加メカニズムについてより詳細に検討を行うことにより,より効果の高い照射条件を検討する。連続メタン発酵実験を継続し,より効果の高いマイクロ波照射条件に切り替えて,その効果を定量的に把握する。得られた結果から,エネルギー収支を計算し,実用化に向けた検討を行う。
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