小規模下水処理場に適用可能なメタン発酵前処理法として,低出力マイクロ波照射法を提案し,室内実験による効果の検討を行った.その結果,マイクロ波照射により,ガス発生量の少ないオキシデーションディッチ法から発生する脱水汚泥でも,ガス発生量が1.8倍となり,標準活性汚泥法の混合汚泥と同程度まで増加した.ガス発生量の増加には,加熱による細胞外物質の可溶化効果とマイクロ波自身による懸濁態難分解性物質を易分解性懸濁態有機物に変換する効果の両者があり,後者の効果は300W以上の出力で起こることがわかった.さらに,連続メタン発酵実験によっても,マイクロ波の効果が確認された.
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