沿岸域はCO2の排出源と考えられてきた.ところが近年,海洋植物が豊富で活発な浅海域が大気中CO2の吸収源となっていて,吸収されたCO2がブルーカーボンとして貯留されている事例も散見されている.しかしながら,流動や物質の生成消費の時空間変化が激しく複雑な場という海域特性により,「吸収された大気中CO2が本当にその場で貯留されているかどうか」は不明であった.本研究では,大気中CO2の吸収や炭素隔離貯留機能に関連する炭素循環を炭素起源別に定量化可能にし,「ブルーカーボン研究」という新学術分野の基盤技術を創出するため,三相(気相・液相・固相)すべての炭素同位体比と炭素量を定量化する手法を開発した.
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