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2014 年度 実施状況報告書

劣化因子分離制御型・紫外線促進劣化装置による建築系塗膜材料の劣化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26630253
研究機関東京大学

研究代表者

北垣 亮馬  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20456148)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード紫外線劣化 / 塗膜 / 熱移動
研究実績の概要

本研究は,建築構造物の維持補修において主力材料となる塗膜材料の劣化進行に大きな影響を与え,環境との複合作用が明らかではない紫外線劣化について,その紫外線強度,温湿度変化といった複数の劣化因子を分離して制御できる新型の促進劣化試験装置を開発し,従来の紫外線劣化装置では実現できなかった紫外線劣化における温湿度依存性を明らかにする.ここから,紫外線劣化反応において温湿度依存性を考慮した精緻で広範囲な紫外線劣化予測モデルを構築することで,新型促進劣化装置を用いた,屋外暴露試験と互換性の高い促進劣化手法を提案し,建築構造物の耐久性向上に寄与する建築系塗膜材料の劣化評価試験の精度と効率性を大幅に高め,社会資本の効率的維持に貢献することを目的とする.
本年度は,新型紫外線促進劣化装置を完成させた.具体的には,既存装置の光源を高性能空冷装置を有する開放型紫外線照射装置に置き換え,フレネルレンズ表面,材料表面,試験槽内の冷却機能を高機能化する.そして,装置完成後には,過去に測定した試験体を中心に新型装置で再測定し,十分な時間をかけて調整を行う.特に,光源種類の変化,温度制御の高機能化によって,材料表面から試験槽内への輻射,試験体裏面側の温度制御槽への熱移動が大幅に変化することが考えられるため,十分なセンサ数を設置して調整した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

紫外線劣化装置の調整に時間がかかったため,当初の装置完成までに時間を要した.ただし,サンプルを用いた実験準備を平行してすすめていたため,次年度の計画は予定通り進められると考えられる.

今後の研究の推進方策

1.新型紫外線促進劣化装置を用いた紫外線劣化における温湿度依存性検証実験(本試験)
新型紫外線促進劣化装置に,標準的な建築系塗膜材料であるアクリル系塗膜材料を基板に塗布した試験体を新型紫外線促進劣化装置に設置し400時間程度の促進劣化を実施する.この際に,前年度の予備試験結果に基づき,紫外線照射強度,表面温度,相対湿度といった実験条件を絞り込んで実施する.試験体については照射時間の一定時間ごとにFTIR-ATR測定による吸光度,光沢度,表面形状(凹凸),空隙分布を測定し,照射時間が長い範囲での紫外線劣化反応における温湿度依存性を正確に検証する.

2.温湿度依存性を精緻に考慮した紫外線劣化予測モデルの構築
1の実験結果および前年度の予備試験結果に基づき,温湿度依存性を精緻に考慮した紫外線劣化予測モデルを構築する.特に,従来の小池・田中式に見られる低温域や低紫外線域に見られる劣化精度については,単純なアレニウスの式ではなく,複雑に温度や紫外線強度がパラメータに加味されたアイリングの式や,表面層から深部までの拡散則が加味されたモデルが適合する可能性もある.そこで,FTIRの吸光度データを用いて化学成分の濃度推定式の構築や劣化因子の分子構造を抽出するのに利用される回帰法を用いて特性的な分子構造成分を抽出した上で,着目した劣化因子(温度,湿度,紫外線強度)に対して,どの分子が変化しやすいのかを検証しながらモデルを構築するものとする.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] セメント硬化体表面の微細形状と日射熱移動の日射角度依存性に関する基礎的研究2014

    • 著者名/発表者名
      熊田賢人,北垣亮馬
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演梗概集
    • 発表場所
      神戸大学六甲台地区キャンパス
    • 年月日
      2014-09-12

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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