(1)高分子塗膜の紫外線を含む複数の劣化因子を分離して試験できる劣化試験装置を開発した.(2)昇温脱離法分析装置では,既往の方法と比較して,短時間で同時に複数種の気体について気体透過・拡散係数の測定が可能である.(3)塗膜はゴム状高分子と同様のFickの拡散法則,Henryの法則に従わず,ガラス状態として評価する必要がある.(4) 温湿度環境と材料それぞれとの組み合わせによって,物質移動の特性が異なる.(5)複数種類気体が透過,拡散する場合は相互作用がある可能性がある.(6)温湿度環境や可塑剤の影響で変化するガラス転移温度,自由体積と気体透過現象との関係については今後さらに検討が必要である.
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