研究課題/領域番号 |
26630255
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
畑中 重光 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00183088)
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研究分担者 |
三島 直生 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30335145)
犬飼 利嗣 岐阜工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (30548326)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ジオポリマー / 廃棄物 / 高活性化 |
研究実績の概要 |
コンクリート構造物に使用されるセメントは、その製造工程において地球温暖化の一因とされる二酸化炭素ガスを大量に排出するため、セメントの使用量削減に向けた早急な対策が望まれている。この問題に対して、セメントを使用せずに同等の硬化体強度が得られ、二酸化炭素ガスを削減できるジオポリマーに関する研究・開発が国内外を問わず進められている。しかし、既存の技術では、強アルカリ溶液の使用や初期の高温養生が不可欠で、実用に際しての問題点が残されていた。 本申請研究では、廃棄物粉体を用いた、より実用的かつ高性能なジオポリマー硬化体を得ることを目的としている。本申請研究の特徴は、高温養生を行わないこと、および強アルカリ(水酸化ナトリウム)を極力使用しないこと、の2点である。ただし、研究事例の少ない材料であるため、硬化反応が不安定であり、また、施工時に必要な流動性の制御方法も確立していない。 以上のような研究の背景から、研究初年度である本年度は、これまで明らかにされていなかった、ハンドリング時間と調合および使用材料の関係に関して詳細な検討を行った。使用粉体は高炉スラグおよびフライアッシュとし、フロー試験による可使時間の評価、およびプロクター貫入試験による凝結試験の結果により、急結などの恐れのない、実用的な使用材料および調合の範囲を決定した。また、同時に常温下で封緘養生された硬化体の圧縮強度の測定も行い、流動性を調整するための調合要因の変化が強度特性に及ぼす影響に関しても考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
供試体作成のための適切なワーカビリティーを得られる使用材料および調合条件の把握に関しては、当初計画どおり充分な研究成果が得られている。このため、次年度には、さらに高性能化に向けた具体的な検討を進めることができる段階にあるため、計画通りに研究が進んでいると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、本年度得られた実用的な使用材料および調合条件の供試体に、さらに高性能化が期待できる原材料に対する処理技術を適用した実験を行う。また、作成した供試体の耐久性に関する実験も併せて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予算との違いは、外部委託費として予定していた化学分析に関して、本年度の研究結果に基づいた適切な使用材料・調合の試験体を用いて行うべきとの判断に至ったため、次年度に行うこととした(約30万円分)。また他に、電子計算機の購入を次年度に延期したこと、一部の学会への出張が業務との兼ね合いで中止となったこと(約10万円)などによる。
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次年度使用額の使用計画 |
外部委託試験については、次年度にまとめて行うこととし、当初計画にある内容を満足できる予定である。電子計算機についても次年度早々に購入の予定である。
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