平成28年度に実施した都心労働者を対象とした「働き方と感染リスク」に関するアンケート調査結果について、追加分析で使用する調査データの一部にコーディングの不備が見つかったため、該当箇所のコーディング修正作業およびその他の部分についてもコーディングの確認作業を行った。 追加分析として、インフルエンザの感染歴の有無によって分類したグループ毎に、「仕事内容」と「職場環境」の関係について考察を行った。 「仕事内容」については通勤も含め、15分類の職種、5分類の通勤手段、7分類の業務内容と過去2年間のインフルエンザ感染歴の有無との関連性について2グループ間の傾向を比較し、デスクワーク系の職種に対してサービス系の職種で感染歴有りの回答者割合がやや高くなる傾向や、会話を伴う複数人で行う業務に従している回答者で感染歴有りの割合が高くなる傾向を明らかにした。 「職場環境」については、感覚的な表現の選択肢によって回答してもらった職場空間の広さに関する回答結果を、設問の補足コメントから推計して6種類のパーソナルスペースに変換することで、回答者らの多種多様な職場空間の人の密集度を定量化して比較できるようにし、コレスポンデンス分析を用いて感染歴との関連性について検証を行った。感染歴無しの回答者は4㎡、2㎡、7㎡の順にパーソナルスペースとの関連性が強く、一方で感染歴有りの回答者は10㎡のパーソナオルスペースとの関連性が強く現れた。15分類の職種をデスク系、作業系、サービス系に再分類して、同様にパーソナルスペースとの関連性を検証した結果、デスク系は感染歴無しとの関連性の強い4㎡のパーソナルスペースと関係性が現れるなど、感染歴、職種、パーソナルスペースの三者の相互が連動していることを明らかにした。
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