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2014 年度 実施状況報告書

建築と祭儀から見た神社の成立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26630283
研究機関神戸大学

研究代表者

黒田 龍二  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40183800)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード本殿 / 上賀茂神社 / 下鴨神社 / 賀茂祭 / ミアレ神事
研究実績の概要

本年度は上賀茂神社、下鴨神社神社の祭儀と本殿の性格について、文献資料および現地調査を中心に研究を行った。
上賀茂、下鴨神社の本殿は同じ形式の建物が二棟並立する形であり、このことは伊勢神宮の式年遷宮の影響と推定される。その形態は上下両社で類似しているが、本殿の造替・遷宮について、下鴨神社は常識的な方式であるが、上賀茂神社では特異な方式であったことが判明した。この方式の違いは、下鴨神社が二つの本殿であることに対して、上賀茂神社は本殿と権殿であることによることが推定される。
また、両社で共通に行われる賀茂祭では、使用される建物の配置に違いがある。上賀茂神社は狭い斜面地に多くの建物が建てこみ、明瞭な軸線を持たないのに対して、下鴨神社は広い平坦地に軸線をもって配置されていることが読み取れる。賀茂祭は平安時代以後、官祭となり勅使が来るようになって大規模化し、社殿群はそれに対応したものである。上賀茂神社の社殿群が整然としていないのは、その敷地が賀茂祭が官祭となる以前のものであり、祭りが発展するにつれて社殿を増やしたものであることを示している。
また、上賀茂神社で葵祭の直前に行われるミアレ神事は、神社から離れた場所に造られた祭場に神を迎える神事であり、ここから本殿に神を移す。このことは、神は祭に際して神社本殿に迎えられるものであった古制を示している。
以上のことから、その年代がはっきりしないミアレ神事と本殿の関係は、奈良時代以前のものであることが推定できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度、申請者は専攻長をつとめることとなり、平成28年度からの勤務校の大きな改革の準備期間でもあり、多忙を極めた。

今後の研究の推進方策

今後は、春日大社の本殿と祭儀の分析を進め、奈良時代以前の神社本殿の成立と性格について、調査、考察を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、申請者が専攻長を勤めたため、業務多忙で動きがとれなかった。

次年度使用額の使用計画

コンピュータ(150.000)、デジタルカメラ(150.000)、資料収集(352.898)、間接経費(150.000)として、効率よく使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 聖地の入口2015

    • 著者名/発表者名
      黒田龍二、養老猛、山折哲雄、ほか
    • 総ページ数
      158
    • 出版者
      主婦の友社

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公開日: 2016-05-27  

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