栃木県宇都宮市大谷地区を中心に、石蔵が集積する地域を対象に地元のNPOと協力しながら悉皆的な調査を実施した。この調査を通じて石蔵の変遷を追うことができ、石蔵の指標になり得ることが期待される。また石蔵を所有する住民と石蔵の利用や保存について意見交換会を実施し、石蔵の重要性や景観保存を共有することができた。 海外の安価な石材に追われ、また組積造は地震に弱いとされることから、凝灰岩の需要は大きく減った。そのため採石場は相次いで閉山し、跡地利用が課題として浮上している。大谷地域では資料館とする他、地底ツアーなどの活用も始まっている。山形県高畠町や千葉県鋸山の採石場などを訪ね、跡地利用の可能性を検討した。
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