研究課題/領域番号 |
26630297
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有田 誠 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30284540)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ケルビンフォース顕微鏡 / 半導体 / キャリア濃度 |
研究実績の概要 |
初年度は、最も一般的で広範囲にわたるドーピング濃度の材料が比較的入手しやすいSiウェーハについて、できるだけ多種の試料を系統的に測定し、KFM法によるキャリア濃度評価の可能性について検証を行った。評価したウェーハのキャリア濃度として、n型の約10^20cm^-3から10^10cm^-3、p型については10^19cm^-3から10^12cm^-3にわたるおよそ20種の試料を準備し、KFMによる仕事関数測定を行った。その結果、n型p型どちらの試料においてもキャリア濃度が10^-14cm^-3台以下の領域において理論値に近い値が観測され、この範囲においてのキャリア濃度定量の可能性が確認された。一方、比較的高濃度の試料においては、予想される仕事関数とは逆の濃度依存性が見られ、この傾向は2種類の表面準位を仮定したバンドベンディングモデルにより説明できることが示された。また、測定範囲の広範囲化を目指した光照射実験のための光励起KFM測定システムの準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一段階として検証の対象としたSiにおいてキャリア濃度測定の可能性とその適用範囲についての知見を得ることができた。また、第2年度以降に行う光照射実験用のシステムの準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度はワイドギャップ半導体としてSiC等の評価を行い、キャリア濃度の測定精度と測定可能範囲について検証を行う。また、光励起効果について各種半導体に対して実験を行う。加えて、面積の異なるフラットヘッドプローブを用いた実験を行い、その測定分解能と測定精度の関係について調査を行う。
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