Mg2Si薄膜の熱電特性に及ぼす歪の効果を調べた。種々の基板上に作製した膜では、0.2%の引っ張り歪から0.4%の圧縮歪を膜に印加することに成功した。しかし得られた膜の熱電特性には大きな違いは認められなかった。 一方、Mg-Si膜には原子サイズの異なるCaを添加することを試みた。500℃で熱処理したMg-Ca-Si膜は、Si過剰組成ではn型の特性を示したが、それ以外の広い組成ではp型を示した。また熱電特性には大きな組成依存性があることも明らかになった。一方、Mg2SiにCaを置換した組成範囲では特性の向上は認められなかった。
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