従来の分子ふるい機能を有する多孔質セラミックス膜に水素に対する化学反応性を付与し、水素分圧や温度条件に応答して開閉が可能なガス透過膜、即ちケミカルバルブメンブレンの開発を目的とした。化学溶液法を利用して、アモルファスシリカ系複合酸化物を合成して水素との反応性を調べた結果、一部の複合酸化物系は、250℃~400℃付近で水素の消費と放出機能を発現できることを確かめた。このような水素に対する反応応答性を有する材料を、多孔質支持基材に製膜することで薄膜化して、そのガス透過挙動を調べた。その結果、水素雰囲気ではガス透過量が増加し、不活性雰囲気ではガス透過量が減少することを実験的に確かめることができた。
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