• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

ミリ波照射下でのイオン伝導促進現象の解明と固体酸化物燃料電池への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26630318
研究機関岡山大学

研究代表者

岸本 昭  岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30211874)

研究分担者 林 秀考  岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (90164954)
寺西 貴志  岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90598690)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードミリ波 / セラミックス / イオン伝導 / 燃料電池
研究実績の概要

SOFC作動時の加熱法は、一般的にヒーターによる外部加熱である。一方ミリ波による加熱は、材料内部からの自己発熱を利用しているため、急速加熱、選択加熱、内部加熱など従来の外部加熱にはない多くの特徴をもっている。ミリ波加熱はセラミックスの焼結に用いられるのが一般的であるが、本研究では導電率測定時の加熱方法として使用した。ミリ波加熱をSOFCに適用した場合、急速加熱により従来法では難しい必要時のみの起動が可能になるほか、電解質部分を選択加熱することで周囲に使用可能な構成材料の選択候補が広がり低コスト化が期待できる。また、電磁波加熱には非熱効果があることが知られており、これによる作動温度の低減も期待できる。
これまでの研究で、SOFCの電解質としての候補である2種類の安定化ジルコニアセラミックス(YSZ, YbSZ)について電気炉またはミリ波により加熱を行い、同じ温度で導電率を比較検討した1)。その結果ミリ波加熱を行うことでイオン伝導率が向上することが分かった。本研究ではY, Yb以外の安定化剤をドープした安定化ジルコニアセラミックス(ScSZ, CSZ, GdSZ)について、ミリ波加熱によるイオン伝導促進効果の調査を目的とした。
電気炉加熱、ミリ波加熱による導電率の測定結果を比較したところ、全ての試料で数倍~十数倍のミリ波による促進が確認出来た。特に、ScSZはこれまでに報告されているものの中で最高の導電率を示した。ただし、導電率の向上率は8YSZが最も大きかった。ミリ波の吸収は8YSZが最も大きいことから8YSZの方がより大きく酸素イオンの移動を促進させる状態へエネルギーを伝えたと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Y安定化ジルコニアに加え、Sc安定化ジルコニアについて通常加熱とミリ波照射下での導電率向上を調べ、ジルコニア系でこれまで報告されている中で最大の導電率を示すことがわかったため。

今後の研究の推進方策

SOFCでの効率向上を目指す。

次年度使用額が生じた理由

装置の組み立ては終了したが、セルの作製に至らず高純度試薬の購入費が少なかったため。

次年度使用額の使用計画

高純度試薬および加工メディア(ダイヤモンドブレード、ダイヤモンドペースト)を購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Microwave absorbency change of nitride powders under vacuum heating2014

    • 著者名/発表者名
      S. Sano, A. Kishimoto et al.
    • 雑誌名

      Adv. Sci. Tech.

      巻: 88 ページ: 31-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The isothermal conductivity improvement in zirconia-based ceramics under 24-GHz microwave heating2014

    • 著者名/発表者名
      A. Kishimoto, K. Ayano, et.al
    • 雑誌名

      Mater. Chem. Phys.

      巻: 143 ページ: 486-489

    • DOI

      j.matchemphys.2013.10.002

    • 査読あり
  • [学会発表] ミリ波照射によるセリア/ジルコニア間のカチオン相互拡散の制御2014

    • 著者名/発表者名
      脇本幹也、岸本昭、他
    • 学会等名
      ヤングセラミストミーティングin中四国
    • 発表場所
      松江
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-15

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi