研究課題/領域番号 |
26630323
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中平 敦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172387)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ポーラス材料 / 微細構造 / 水熱 / バルク |
研究実績の概要 |
H27年度は、透光性を有するナノポーラス材料の透光性を示すメカニズムを解明するために、主に緻密なゼオライト及び緻密なメソポーラス材料が得られる合成条件を明らかにした。 合成条件としては水熱温度、溶液量の種類・濃度、印加圧力、水熱処理時間などの合成条件を種々に変えてゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化を行なうことにより、緻密化の挙動、メカニズムを明らかにしてゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化及び透光化するためのパラメータを明らかにする。 改良水熱プロセスで得られた緻密化したゼオライトバルク体、同様に改良水熱プロセスにて緻密化したメソポーラスバルク体の評価を行った。密度測定およびXRDの評価を行なった。ついでそれぞれのバルク体の比表面積測定、吸着等温線の測定評価を行なった。さらに、放射光にて測定(XAFS)さらに小角散乱等の評価を行った。次いで、改良水熱プロセスで得られたバルク体(緻密なゼオライト及び緻密なメソポーラスの微細組織をSEM観察およびEDX測定にて評価を行った。さらにバルク体を薄片を加工してTEM観察試料を作成し、バルク体(緻密なゼオライト及び緻密なメソポーラスを構成するゼオライト粒子およびメソポーラス材料の粒子サイズ、粒子形状、粒界部の高分解能電子顕微鏡観察を進め、詳細な微細構造評価を行った。 特に、水熱温度と水熱処理時間などのパラメーターを変えた試料(ゼオライト及びメソポーラス材料)において微細構造をSEM、EDX、TEMなどにより観察し緻密化挙動を明らかにできた。さらには、応用に向けてはナノポーラス材料(ゼオライト及びメソポーラス材料)の膜化が不可欠の為、そのプロセス開発の基礎実験を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度およびH27年度にて、各種ゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化の為の条件検討と改良水熱装置開発研究を行い、その結果、自己焼結性の無いゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化挙動の解明の基礎を進めることで成果を得た。この成果から、緻密なゼオライト及び緻密なメソポーラス材料が得られる合成条件を明らかにしつつある。このように、透光性を示すメカニズムを解明する基礎的研究が概ね、申請時の予定スケジュール通りに進展し、目論見通りに順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
各種ゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化の為の条件検討と改良水熱装置開発研究を行い、自己焼結性の無いゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化挙動の解明を一層進展させる。さらに項目(4)のテーマである「光学特性を評価し、光学素子などに利用できるナノポーラス材料(ゼオライト及びメソポーラス材料)の微細構造や種類を解明」というテーマに向かい、光学材料に展開できるような材料合成プロセスの構築を進めるす。ついで密度などの各種物性測定およびXRD評価、比表面積測定、吸着等温線の測定評価を行なう。さらに、放射光にて(XAFS)特性評価を行い、平行して試料の粒子形状、粒界部の高分解能電子顕微鏡観察を進めることで、詳細な微細構造評価を進める予定である。 また、これらの研究から得られる成果をベースとして、初年度や2年度で進めてきた各種ゼオライト及びメソポーラス材料の緻密化の為の条件検討と改良水熱装置開発研究へのフィードバックし、新たな光学材料に展開できるような材料合成プロセスの構築を進める。 このように最終年度は、成果を精緻に解析し、さらに新規光学応用にむけたナノ構造制御による透光性ナノポーラス材料の研究的研究を進め、透光性ナノポーラス材料の応用の可能性を見出すことを目的とする。
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